私たち人類と金の関係というのは、非常に古くそして深いものがありますよね。金の最古の歴史としては、古代シュメール人が高度な加工技術によって金の装飾品を作り利用していたということらしいです。

それから幾千もの時を越え、21世紀となった現代。今なお、金は珍重され多くの人を虜にしていますね。ただそんな金は、一体どこでどのように作られているのかご存知ですか?今回は、金鉱脈発見と採掘の旅へとみなさんを連れていきたいと思います。

実は日本でも古くから金の採掘は行われていた!?

金は、地球上のいろんな場所で採掘されています。実は、日本もそのいろんな場所の1つなんですよ。日本で有名な金が採掘されている場所といえば、やはり佐渡島ではないでしょうか。最近では、北海道の弟子屈町でも金を含む鉱石が発見され話題になりました。

日本は、地球上にあるほんの小さな島国。それでも金など貴重な鉱物が眠っている可能性が、まだまだあると言われています。

金鉱脈はどうやって見つける?

金があるということは、金が眠る鉱脈があるということ。金を探すと言っても、まずどこに鉱脈があるのかを知る必要があります。しかし世界のどこに鉱脈があるのかなんてわかりませんよね。国土の狭い日本でも、何の情報もなく探すのは至難の業ですよね。金鉱脈を探す際には、2つのポイントがあります。

1つ目は、『川』です。勘の良い人なら、すぐにイメージが浮かんだのではないでしょうか。そう川には、『砂金』が存在します。東京の多摩川や金沢の犀川などでは、昔から金の採取が行われているんですよ。

もう1つは、『温泉』です。温泉と金鉱脈ってどんな関係があるの?と思いませんか?もちろん温泉の湯の中に含まれているわけではありませんよ。実は、金鉱脈があるとされる温泉には、ある条件を持っていることが研究によってわかってきているのです。その条件としては、『塩素を多く含む』ということ。塩素を多く含む温泉地は、浅熱水性金銀鉱床がある可能性が高いと言われています。

浅熱水性金銀鉱床は、マグマが上昇した火山帯で作られます。マグマの中から溶け出した金銀を含む熱水が上昇し、温度が急激に下がります。そうすると金や銀の鉱脈ができるのですが、これを『浅熱水性金銀鉱床』と言います。ですから、この中に金が含まれているというわけですね。ちなみにこういった鉱脈から採取される金は、『山金』と呼ばれます。

金はどうやって採掘するの?

川で見つかる砂金、鉱石の中にある山金。これらは、他の元素と結合し『化合物』となる銀・銅と違って、単体で存在していることが多いです。いわゆる『自然金』と呼ばれるものです。

砂金の場合は、川の砂に混ざっているものをふるいにかけ採取していきます。一方、鉱石に含まれる山金の採取には、少し手間がかかります。なぜかというと、鉱石の中に大きな粒の自然金があるということがあまりないからです。つまり鉱石の中にある石英や炭酸塩の中に、肉眼では見えないほど少量の金が混ざっているのです。

では、そのごく少量の金をどうやって採取するのでしょうか。

山金の採取方法について

山金の採取方法には、さまざまな方法があります。例えば、金の産出国として知られる南アフリカ。南アフリカでは、まず金が反応を示す水銀を使って採取します。具体的には、水銀を使って『アマルガウム』という合金にします。そしてアマルガウムを加熱して金のみを取り出すという方法です。この方法は大きな設備等が要りませんが、水銀のもつ毒性に懸念が持たれています。

他には、銅の溶鉱炉に金と銅の鉱石を入れるという方法もあります。銅の溶鉱炉に金と銀を同時に入れて、最初に銅を取り出します。次に銀、そして電解して金を取り出すという方法です。近代的な金の鉱山では、この方法が主流になっているようです。