前回の記事で3月の誕生石であるアクアマリンについて書かせていただきましたが、今回も3月の誕生石であるコーラルについて書かせていただきたいと思います。
他の月は誕生石が1個の月もあるのですが、3月はなぜかこの2つの誕生石の他にもブラッドストーンという誕生石もあります。
ブラッドストーンに関してはまた別の記事で書かせていただきます。
コーラルとは
コーラルというのは珊瑚(サンゴ)のことですね。
珊瑚は皆さんご存知の通り、沖縄や地中海などの綺麗な海に生息している海の生き物です。
サンゴには様々な種類がおり、宝石に加工されるサンゴはごく一部の種類なんです。
日本では昔からサンゴを宝石として扱っており、七宝「金・銀・瑠璃・玻璃・硨磲(シャコ)・珊瑚・瑪瑙(メノウ)」として大切に扱われてきた歴史を持ちます。
コーラルの価値
コーラルの宝石としての価値ですが、色や傷などの様々な情報を評価し、決定されます。
また、他の宝石が鉱物なのに対して、コーラルは元々が生物ですので、傷やへこみが付きやすくなっています。
もちろん、傷やへこみがあるほど値段は下がりますので取り扱いには十分注意しましょう。
ヒとフ
コーラルには「ヒ」と「フ」と呼ばれるものが存在します。
この「ヒ」はヒビのこと。サンゴは海底に生えているので、採取時に水圧の差によりヒビが発生してしまうことがあります。
そして「フ」は、日本産の珊瑚に見られる白い模様のこと。マーブル模様や斑点のようになっていたりします。
この「フ」は日本産の珊瑚にしかないため、日本産珊瑚の証明ともなりますが、同時にコーラルの宝石としての価値を低くするものにもなります。
しかしこの「フ」がない日本産の「血赤珊瑚」と呼ばれる種類は世界的にも希少価値の高い最高級品となっています。
宝石としてのコーラル
宝石言葉は「聡明・長寿・幸福」。
地中海に面したイタリアやアルジェリアはコーラルを国石としています。
結婚35周年記念のことを「珊瑚婚」と呼びます。
これはサンゴの語呂合わせからきているようですが、「長い年月を経て成長する珊瑚にたとえて」という意味もあります。
高騰するコーラル
近年ではコーラルの価格が高騰しています。
地球温暖化や水質汚染等の問題により、珊瑚の数が減っているのも原因の一つだと思われます。
また、珊瑚は養殖ができないため、大量に生産することができないということもあるでしょう。
コーラルは品質が良いものであれば、ダイヤモンド並みの金額で取引されていることがあるため、昔購入したものが購入当時以上の金額で売れる。ということもあるそうです。
また、すでに加工されているコーラルよりも、観賞用などで加工されていない原木の方が高値で取引されています。
もし、ご自宅に眠っているようでしたら、一度査定に出してみてはいかがでしょうか。驚くような値段がつくかもしれませんよ。
もちろん、そのためにはコーラルの状態を綺麗に保っておくのもポイントです。
コーラルというのは言ってしまえば生物の死骸を加工したものです。
主な成分が炭酸カルシウムということもあり、酸性の液体で簡単に劣化してしまいます。
酸性の液体は一部の温泉やお酢なんかもそうですね。また、人間の汗も酸性になりますので、アクセサリーで身に着ける時も注意が必要です。
使用後は布などで汚れを拭き取り、密封できる袋などに入れて他の宝石とは別々にして保管しましょう。
偽物に注意
コーラルは昔から日本だけでなく、世界中で宝石として取り扱われてきたので、偽物が多く出回っています。
更に、コーラルは不透明のため、素人では価値が判断しづらい宝石とも言われています。
自分では判断ができないと思ったら一度鑑定してもらうのも1つの手です。