みなさんは、海って好きですか?夏といえば海! なんてイメージを持っている人も多いのではないでしょうか? そんな海には、いろんな生物が住んでいて、特に深海にはまだ見たこともない未発見の生物がいると言われています。もしかしたら未だ見ぬ美しい鉱石が見つかるなんて可能性もあるかもしれませんね。ただ今でも、海から採れる宝石というのはいくつか存在します。生物由来の自然宝石もまた、生物の神秘が生み出す素晴らしい輝きを放っています。

海で採れる生物由来の天然宝石って?

海で採れる生物由来の天然宝石。どんなものがあるかご存知ですか?中でも比較的身近な存在と言えるのが、べっ甲ではないでしょうか。私、フレームがべっ甲で作られているメガネを持っています。みなさんの中にも、メガネや髪留めなどべっ甲で作られたアイテムを持っているという人はいることでしょう。

このほかにも、アンモライトやパール、コーラル、ジェット、シェルなどがあります。今回は、こういったいろんな海の宝石をご紹介していきます。
ちなみに以前このサイトでご紹介した琥珀も生物由来の天然宝石です。琥珀は、植物の樹脂からできています。

べっ甲

べっ甲というのは、タイマイという熱帯産のウミガメの甲羅を用いた加工工芸品のことを言います。飴色をした綺麗な色をしていて、さまざまな商品の素材に使われています。

タイマイは、体長1mにもなる大型のものもいます。タイマイの甲羅を糸のこなどを使って型打ち・型切りしていきます。削られた甲羅をパネルのように張り合わせて加工していきます。

アンモライト

アンモライトは、オパールのようなの遊色を持った生物由来の宝石です。アメリカとカナダのロッキー山脈の東斜面でしか産出されない宝石です。アンモライトは、アンモナイトの化石と霞石からなります。アンモライトと聞いて『アンモナイトみたい!』と思った人は、なかなか鋭い勘の持ち主です!

1981年、アンモライトは、世界宝石連盟により公式に宝石として認められました。さらに2004年には、カナダのアルバータ州の宝石として定められています。

コーラル

コーラルって聞いたことがありますか?コーラルの和名は、珊瑚なんですよ。刺胞動物門花虫網に属するサンゴ虫からなるものです。

またサンゴ虫の中でも、固い骨格を発達させる種や宝石として加工される骨格部分のことを総称してコーラル・サンゴ(珊瑚)と呼んでいます。

ジェット

ジェットと聞くと飛行機やジェット気流みたいなイメージを持つと思います。ジェットの和名は『黒玉(こくぎょく)』と言います。何だか少し厨二感が漂いますね……!!

そんなジェットは、樹木が水中で長い年月を経て化石したものを言います。アンバーは樹皮が元ですが、ジェットは樹木の幹の化石となっています。

シェル

シェルは大体想像がつくと思いますが、貝殻のことですね。貝が外套膜と呼ばれる外面に形成する生物由来の鉱物の一種です。

殻を構成する成分としては、炭酸カルシウムの結晶とコンキオリンというタンパク質などです。

パール

最後にご紹介するのがパール。これは、メジャー過ぎて知らない人はいないと思います。和名では、真珠と呼ばれるものですね。こちらも貝から採れる宝石の一種です。シェルもそうなのですが、生物・生体が作る鉱物なので、『生体鉱物(バイオミネラル)』と呼ばれています。

日本での真珠の歴史は非常に古く、何と日本書紀や乞食、万葉集にもすでに登場しているんですよ。さらに中国の『魏志倭人伝』においては、邪馬台国の台与が曹魏に対しておよそ5,000もの真珠を送ったと記載されているとか。

海には、こんなにもたくさんの宝石が存在しているんですよ。海水浴や海岸を歩いている時、少し足元に注意して歩いてみてはいかがでしょうか?もしかしたら思いがけない発見があるかもしれません。ただガラスの場合もあるので、気をつけてくださいね!